この長年の泥沼化する対立において、大学当局側の姿勢も大きな変容を見せている。京都大学の湊長博総長を中心とする学内執行部は、大学の法的責任と安全管理の観点から、寮の自主管理体制の見直しを段階的に進めてきた。大学側は「法令遵守」と「学生の安全確保」を最優先事項として掲げ、捜査機関の立ち入りに対しても過剰な法的防壁を講じない姿勢を鮮明にしている。
これに対し、熊野寮自治会は大学当局の姿勢を「警察権力への追従」と強く批判する。寮生たちは自治の歴史と生活権を守るため、湊総長をはじめとする執行部との対話を求めて抗議声明を出し続けている。しかし、双歩譲らぬ議論は噛み合わず、溝は深まるばかりだ。大学管理権と警察介入の狭間で、寮の自治は崩壊の危機に直面している。