不動産市場においても、駅周辺の注目度は過去最高水準にある。かつては郊外の別荘地が人気を集めたが、現在人気を二分しているのが、駅から徒歩圏内にあるコンパクトな住宅やリノベーションマンションだ。生活インフラが徒歩や自転車で完結し、いざとなれば都心へすぐに戻れる利便性が、子育て世代の二拠点生活者を引きつけている。
「子供に自然を感じさせたいが、教育や医療のアクセスを切り捨てたくない」。そう語る二拠点居住者は、週末になると駅前のマルシェで新鮮な野菜を買い求め、地元のコミュニティイベントに顔を出す。都会のスピード感と、地方のゆるやかな時の流れを両立させる生き方が、ここではごく現実的な選択肢として定着した。