本作において描かれる過激な性描写やバイオレンスは、一般的な青年漫画の枠組みを大きく超えた特異な熱量を放っています。読者が強烈なショックを受ける最大の理由は、「官能性」と「生理的恐怖・絶望感」が完全に表裏一体になっている点にあります。
吸血鬼ウイルスに侵された者たちは、理性を失うとともに異常な性欲と吸血衝動を露わにします。人間を家畜のように扱い、快楽と捕食を同時に満たそうとする異様な奇行は、主人公・宮本明たち人間側に圧倒的な恐怖と無力感を突きつけます。性的な要素が「救いのない暴力」として描かれるからこそ、読者の心にトラウマ級の爪痕を残し続けているのです。