菱の実を初めて目にした人の大半は、植物の種子とは思えないその異様なフォルムに言葉を失います。深く沈んだ黒褐色の表皮、ゴツゴツとした岩肌のような質感、そして何より左右に大きく湾曲しながら尖る2本の硬いトゲは、西洋の悪魔が持つ角や、羽を休めるコウモリの頭部をそのまま具現化したかのようです。
ネット上で「菱の実 怖い 理由」と検索するユーザーの多くも、このビジュアルによる生理的嫌悪感や恐怖心から調査を始めています。4本のトゲを持つ「オニビシ(鬼菱)」に至っては、より攻撃的なシルエットを描いており、まるで触れる者を威嚇しているかのようです。水底に沈んで発芽を待つための自然淘汰の産物とはいえ、夜道の水辺でこの形状を踏みつければ、誰しも怪異の類を想像してしまうのも無理はありません。