加谷珪一氏の名を一躍世に知らしめたのが、富裕層の実態を心理学や行動経済学のアプローチから解き明かした一連の著書です。自身が資産運用や富裕層向けビジネスに関わった経験を基に上梓した『お金持ちの教科書』や『大富豪の投資術』は、単なる精神論ではなく、資本主義のルールを冷静に可視化した名著として大きな話題を呼びました。
同氏の著作群は、単なる蓄財術の指南にとどまりません。富裕層がどのようにリスクを取り、どのように社会構造を利用して富を拡大させているのかを冷徹に描写したことで、ビジネスパーソンから圧倒的な支持を獲得しました。
その後、加谷氏の関心は個人の資産形成から国家全体の構造改革へとシフトしていきます。日本経済の地盤沈下を直視した『貧乏国ニッポン』や『日本はもはや「後進国」』といった書籍を次々と発表し、現実から目を背けがちな世論に大きな一石を投じることとなりました。