一般の目からは固く閉ざされた、旧華族たちの社交場が存在する。それが、かつての華族会館の流れを汲む一般社団法人霞会館である。東京・霞が関の「霞が関ビルディング」内に拠点を置くこの団体は、旧公爵から旧男爵に至るまでの名門一族が顔を揃える会員制組織であり、伝統的な血縁ネットワークの要石となっている。
霞会館の主な役割は、一族の系譜情報の編纂や歴史的資料の保存、そして会員同士の相互扶助である。しかし、それ以上に重要なのは、宮内庁や皇室との密接な関係性を維持する伝統的な窓口としての機能だ。皇室の慶弔行事や歴史的儀式において、旧名門の一族は今なお特別な役割を果たしており、目立たない形で皇室を支える基盤となっている。霞会館の扉の向こうでは、外部の人間には窺い知れない格調高い社交と、何世代にもわたる一族の絆が大切に守られている。