この劇場の面白さは、時間帯によってまったく異なる表情を見せる点にある。平日の午前中、ゆったりとロビーのソファに腰掛け、邦画の人間ドラマやミニシアター系作品の上映を待つシニア層の姿は、この街の穏やかな日常そのものだ。
ところが金曜の夜や話題作の公開初日となると、空気は一変する。グッズ売り場には長蛇の列ができ、特別応援上映やライブビューイングの熱気がフロア全体を包み込む。松竹マルチプレックスシアターズ(SMT)特有のメンバーズデイや各種割引サービスを活用し倒すヘビーリピーターたちと、年に数回だけ話題作を観に来るライト層が、絶妙なバランスで空間をシェアしている。