席に着いた瞬間からショーの幕が上がる。田中オブ東京の代名詞とも言えるのが、鍛錬を積んだ専属シェフによるライブクッキングパフォーマンス(Live Cooking Performance)だ。
フォークとナイフがまるで生き物のように宙を飛び交い、エビの尾がコック帽のポケットへと吸い込まれる神業。タマネギを重ねて作られた火山から一気に火柱が立ち上る「オニオンボルケーノ」の瞬間には、国籍を問わず全席から割れんばかりの拍手と歓声が沸き起こる。子ども連れのファミリーからハネムーナーまで、あらゆる客層の笑顔を引き出す演出力は他の追随を許さない。
だが、この鮮やかな技の裏側には、何百時間にも及ぶ過酷なトレーニングが存在する。シェフたちは調理の腕前だけでなく、客席の空気感を瞬時に読み取るコミュニケーション能力やユーモアのセンスまで厳しく磨き上げられている。火加減をミリ単位でコントロールしながら同時にジョークを飛ばすその姿は、まさに鉄板の上のエンターテイナーだ。