現在、日本の小学生を取り巻く通学環境は危機的と言っても過言ではない。GIGAスクール構想によるデジタル端末の導入や教科書の大型化・ページ数増加に伴い、登下校時の荷物の総重量が5キロから10キロに達するケースも珍しくない。肩こりや腰痛、通学への憂鬱感を訴える「ランドセル症候群」は深刻な社会問題だ。
文部科学省も児童生徒の携行品の重さについて配慮を求める通知を各教育委員会へ発出するなど、事態の収拾に乗り出している。その一方で、世間では入学の1年以上前から始まる「ラン活」が過熱。1個あたり6万円から10万円を超える高級本革モデルが売り場に並び、祖父母や両親の財布を圧迫する歪な構図が続いている。
こうした状況下で、京都が50年以上貫いてきた「通学用カバンは子どもの負担を減らすための実用品であるべき」という思想が、全国の現役世代の親たちに強烈な説得力を持って響いている。見栄や慣習よりも、子どもの骨格発達と安全を最優先にする京都モデルは、まさに時代が追いついた先見の明だった。