この変化の波を、学問の視点はどう捉えているのだろうか。社会学やジェンダー論の領域でも、上方婚バイアスの解体は大きなテーマとして議論されている。フェミニズム研究を牽引してきた上野千鶴子氏らの論考が示唆するように、従来の「男性=養い手」「女性=被養育者」という構造の打破は、結婚を経済的契約から感情的な協働体へとシフトさせる歴史的プロセスだ。
国立社会保障・人口問題研究所が実施する出生動向基本調査を見ても、女性が結婚相手に求める条件として「経済力」のプライオリティが下がり、「家事・育児への理解と実行力」「価値観の一致」が上位を独占するようになった。制度や規範に引きずられるのではなく、個人の尊重に基づいた対等なパートナーシップが求められている。