2000年、今帰仁城跡は首里城跡や中城城跡などとともに「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の構成資産として、ユネスコ(UNESCO)の世界文化遺産に登録された。その評価の核心にあるのは、自然の地形を巧みに利用した独自の石造建築技術と、東アジア交易の活発な実態を物語る考古学的価値である。
現在も進められている発掘調査では、中国明代の青磁や白磁、東南アジア産の陶器、古銭などが大量に出土しており、北山が海を越えて広範な交易ネットワークを築いていたことが実証されている。貴重な遺構を後世に引き継ぐため、文化庁の指導のもと、今帰仁村教育委員会を中心とした専門チームが石垣の崩落防止や環境保全活動に日々取り組んでいる。単に補修するのではなく、伝統的な石積みの技法を忠実に再現しながら未来へ繋ぐ地道な作業が続けられている。