街頭での聞き取り調査やSNS・掲示板の書き込みを追跡すると、日本の生活習慣に対する外国人の反応には、深い感銘と激しい困惑が同居しています。もっとも象徴的なのが「街中にゴミ箱がほとんどないのに、道路にゴミが散乱していない」という現象です。テロ対策やコスト削減によって公共のゴミ箱が撤去された歴史的背景を知らない旅行者にとって、「自分のゴミを持ち帰って処分する」という自律規範は驚異的な規律として映ります。
一方で、食事の現場では激しい摩擦も生じています。食文化とマナーの違い詳細まとめとして議論されるのが、麺類をすする行為(「ヌードルハラスメント」とネット上で物議を醸した議論)や、お箸の取り扱いルールです。欧米圏において音を立てて汁物を口に運ぶ行為は強いマナー違反とみなされるため、日本のラーメン店での轟音に衝撃を受ける旅行者は少なくありません。反対に、外国人が無意識に行いがちな「箸から箸へ食べ物を渡す(拾骨を連想させるタブー)」行為は、日本人側が強い拒絶反応を示す要因となります。
また、日本独自の暗黙のルールとネットの反応を分析すると、鉄道車両内での携帯電話通話の禁止や、エスカレーターの片側空け(歩行禁止の呼びかけが進む現在も根強く残る慣習)など、「公的空間で私性を極限まで抑制する」姿勢に対する評価は真っ二つに分かれます。「世界一快適な静寂」と絶賛する層がいる反面、「赤ん坊の泣き声にさえ冷淡な視線が注がれる息苦しさ」を告白する声も後を絶ちません。