猛烈な日差しが照りつける日中の時間帯を避け、午前と夕方に試合を分散させる二部制の本格運用。数年前までは「甲子園らしさが薄れる」といった異論も聞こえたが、現場の評価は大きく異なる。選手の身体にかかる負荷は劇的に軽減され、パフォーマンスの質そのものが底上げされたからだ。
ベンチ裏には最新の冷却デバイスや生理指標をリアルタイムでモニタリングするタブレットが並ぶ。かつて「水を飲むな」と言われた時代から半世紀。今やデータに基づいて水分と電解質の補給タイミングが管理され、熱中症リスクを最小限に抑える試みが当然の光景となった。伝統の舞台は、最も先進的な予防医学の実験場でもある。