ネット上で「狂気」「サイケデリック」と評される最大の要因は、説明を徹底的に省いた超ハイスピードな筋運びにある。1話わずか10分足らず、実質5分強の本編尺の中で事件が起き、犯人が特定され、爆破によって全てが解決する。そこには日常描写の情緒や葛藤など挟み込む余地がない。
加えて、キャラクターたちの行動原理が現代の常識から著しく逸脱している点も見逃せない。悪事を企む敵だけでなく、主人公サイドの言動すら暴力性と冷酷さに満ちている。これらは計算されたシュールレアリスムではなく、制作現場が過密日程の中で「とにかく尺を埋め、インパクトを残して完結させる」ことだけを突き詰めた結果生じた怪現象だ。意図せざる狂気だからこそ、作り物のコメディでは到達できない凄みがある。