事件発生当初からNHK NEWS WEBをはじめとする各メディアは、被疑者の生い立ちや過去の訴訟歴を精力的に報じてきた。報道・デジタルジャーナリズムの多角的な取材によって見えてきたのは、社会制度に対する強い反発と、誰にも相談できずに孤立を深めていった木村隆二被告の実像だ。
彼が過去に選挙制度や被選挙権の年齢制限を巡って起こしていた国家賠償請求訴訟。司法に見放されたと感じた個人のフラストレーションが、いかにして暴力的手段への傾倒へと変質していったのか。デジタル空間に残された断片的な足跡を丹念に拾い上げるジャーナリズムの手法は、事件の背景にある社会病理を冷徹に照らし出している。