ショートスリーパー 有名人の実態に、私たちはなぜこれほど心奪われるのだろう。「1日3時間睡眠で十分」「寝ている時間がもったいない」といったフレーズは、まるで選ばれし成功者にのみ許された特別な才能のように語られてきた。深夜のスタジオ収録から早朝のロケまで常にトップスピードで駆け抜けるタレントや、深夜までSNSで檄を飛ばし続けるテック界のカリスマ。彼らは本当に、生物が数億年かけて培ってきた休息の掟を打ち破ったのだろうか。
深夜番組やSNSの切り抜き動画で語られる武勇伝を目にするたび、私たち凡人も同じように睡眠を削れば生産性を跳ね上げられるのではないかと錯覚してしまう。しかし、メディアを席巻するショートスリーパー 有名人の生態を最新の研究から紐解いていくと、そこには驚くべき遺伝子の真実と、一般人が不用意に真似した瞬間に待ち受ける冷酷な落とし穴が潜んでいる。
明石家さんまに武井壮…驚愕の生活リズムと睡眠習慣のリアル
日本のお笑い界を何十年も牽引し続ける明石家さんまは、短時間睡眠の象徴として真っ先に名前が挙がる人物だ。1日の睡眠時間はわずか2〜3時間程度と公言し、共演者からは「楽屋でも寝ている姿を見たことがない」「眠っている間も喋り続けている」といった証言が飛び交う。『ホンマでっか!?TV』などの現場でも、疲労の色を一切見せずに長時間の収録を回し続ける姿は、まさに生ける伝説と言っていい。
一方、百獣の王を目指すタレントの武井壮も独自の睡眠スタイルで知られる。かつて1日45分睡眠を実践していると語り大きな話題を呼んだ。彼の場合は単に睡眠を削るのではなく、極限までリラックスした状態で短時間の深い睡眠をコントロールする独自の身体操作法を追求した結果だという。彼らに共通しているのは、睡眠時間を無理に削って耐えているのではなく、短時間の休息だけで日中のパフォーマンスを完全に維持できているという点だ。
イーロン・マスクも直面した「限界」と短時間睡眠の落とし穴
海の向こうに目を向けると、テスラやスペースXを率いるイーロン・マスクの過酷な労働スタイルが有名だ。かつて週に120時間働き、工場の床で数時間眠るだけの生活を続けていたと語っている。しかし、そんな世界屈指の天才実業家であっても、生物学的な限界を完全に無視することはできなかった。
慢性的な睡眠不足は、判断力の低下や情緒の不安定さを招く。マスク自身も後に「睡眠時間を削ると脳の処理能力が著しく落ちる」と率直に認め、現在は最低でも6時間の睡眠を確保するよう方針転換した。超人的なバイタリティを誇るトップリーダーでさえ、根性論による短眠の継続には明確な代償が伴うことを証明した格好だ。