家族関係の力学を可視化する手法として、児童精神医学の領域で重宝されているのが動的家族画法(KFD: Kinetic Family Drawing)だ。単に家族を並べて描かせるのではなく、「家族みんなが何かをしているところ」を描かせるこの手法は、家族内の心理的距離や力関係を残酷なまでに浮き彫りにする。
日本発達心理学会の研究報告でも注目される通り、物理的な配置はそのまま情緒的な絆の密度を表す。父親と母親の間に描かれた巨大な障害物、家族から遠く離れた場所で一人ゲームをする自分、あるいは家族の誰か一人だけが極端に小さく描かれる現象。これらは、家庭内での疎外感や隠されたパワーバランスの変容を無言のうちに告発している。