ブランドの歴史を紐解くと、創業者である辻田幹晴の並々ならぬ執念に行き着く。彼は1990年代初頭、理想のジーンズを追い求めて株式会社フルカウントを設立した。当時、アメリカのヴィンテージジーンズが持つ独特の風合いを日本で再現しようと立ち上がった伝説の5つのブランドは、後に大阪ファイブと称され、日本のモノづくり史にその名を刻むことになる。
辻田氏が目指したのは、単なる古着の完全模倣=いわゆるレプリカジーンズの枠に収まらない、「日常着としての最高の着心地」であった。アメリカ古着の荒々しい風合いを再現しつつも、日本人の繊細な技術をもって織り上げられた生地は、穿き込むほどに穿き手の体にフィットしていく。この妥協なき職人魂こそが、本物しか認めない芸能人たちの琴線に触れる理由なのだ。