世界の食文化を語る上で、料理人の地位を引き上げた巨匠たちの存在を欠くことはできない。20世紀のフランス料理界に君臨したポール・ボキューズは、裏方に追いやられていた料理人を表舞台へと連れ出し、シェフという存在を社会的地位の高いアーティストへと昇華させた偉大な先駆者だ。
そのバトンを受け継ぎ、現代のメディア型一流シェフの象徴となったのがゴードン・ラムゼイである。妥協を許さない圧倒的な料理技術と熾烈な経営手腕で、世界各地の店舗でミシュランガイドの星を次々と獲得。テレビ番組での辛口なキャラクターでも爆発的な人気を博し、料理人が巨大なグローバルブランドを築けることを証明してみせた。彼らの足跡は、料理が持つ無限の可能性を現代に示している。