この劇場の歴史を振り返る上で、日本テレビ放送網の国民的バラエティ『天才!志村どうぶつ園』の存在は外せない。昭和から平成、そして令和へと語り継がれるチンパンジーのパンくんと、喜劇王・志村けん氏、そして宮沢トレーナーが織りなした数々の名場面は、日本中の人々に動物の知性と感情の豊かさを強く印象づけた。
当時テレビ画面越しに日本中を魅了したあの無邪気な冒険劇の根底には、宮沢厚が築き上げた厳格かつ愛情深い行動生態学へのアプローチがあった。阿蘇カドリー・ドミニオン内のみやざわ劇場は、単なるスター動物の披露場所にとどまらず、人間と霊長類が心を通わせる新たな地平を切り拓いた実験場でもあった。