まず押さえておきたいのが、両者の定義と構造の違いです。玄米とは、稲の種子から外殻である「籾殻(もみがら)」のみを取り除いた状態の米を指します。糠(ぬか)層や胚芽がそのまま残されているため、微量栄養素の宝庫と言えます。
一方、雑穀米は白米や玄米をベースに、キヌア、アマランサス、ハトムギ、黒米、大麦といった多種多様な穀物をブレンドしたものを指します。単一の穀物である玄米に対し、雑穀米は複数の穀物が持つ長所を掛け合わせた「複合型の食品」なのです。
文部科学省が公表する『日本食品標準成分表』のデータをもとに、100gあたりのカロリーと主要成分を分析してみましょう。カロリーや糖質量において、実は白米・玄米・雑穀米の間に劇的な差はありません。しかし、血糖値の上昇スピードを示す「GI値(グライセミック・インデックス)」と「食物繊維」の質においては、明確な分かれ目が存在します。
玄米はGI値が約55前後の低GI食品に分類され、食後の血糖値スパイクを効果的に抑えられます。これに対して雑穀米のGI値は、配合される穀物の種類や白米の割合によって65〜75程度と幅が生じます。栄養学の視点で見れば、単一でビタミンB群やマグネシウムを凝縮して摂れるのが玄米、多様なポリフェノールや不溶性・水溶性の食物繊維をバランスよく網羅できるのが雑穀米と言えます。