物語の中盤以降、ガガゼト山で明かされるティーダの正体。彼は生きた人間ではなく、ガガゼト山の岩壁に固められた「祈り子」たちが集団で見ている「夢」の産物であった。千年前、ベベルとの戦争によって滅びゆくザナルカンドを残すため、召喚士エボン=ジュは住民たちの魂を祈り子へと変えた。その祈り子たちが記憶と理想をもとに作り出した幻影の街、それが「夢のザナルカンド」であり、そこで暮らしていたのがティーダだった。
つまり、彼は実在する人間と同じように肉体を感じ、喜びや怒りを抱えて生活していたが、本質的には召喚獣と同じ「幻光虫」によって構成された集団召喚体だったのだ。祈り子が眠りから覚め、召喚をやめれば、彼という存在そのものが空気中に溶けるように消え去ってしまう。この苛烈な前提こそが、彼のすべての冒険を悲劇的なカウントダウンへと変えた。