品格を求めるあまり、陥りがちな落とし穴も存在する。あまりにも浮世離れした大げさな漢字や、過剰に高貴さを誇張した組み合わせは、かえって名前だけが一人歩きしてしまい「痛々しい印象」を与えかねない。重要なのは、過度な飾りに頼らない「引算の美学」である。
また、苗字(姓)とのバランスや画数、日常での呼びやすさを無視して品格だけに偏ってしまうと、子どもの成長とともに使いづらさが生じることもある。口に出して読んだときの滑らかさや、手書きした際の漢字のまとまり、さらには祖父母世代から友人まで世代を超えて親しまれるかどうかの視点を忘れないことが、真の意味で「育ちの良さ」を象徴する名付けを成功させる鍵となる。