日本リハビリテーション医学会の指針などでも強調されるように、つっぱり感を恐れるあまり安静を続けすぎること、逆に焦って無理なストレッチを強行することの双方が後遺症のリスクとなる。最大の分岐点は「腱の伸長(エロンゲーション)」を起こさずに瘢痕の滑走性を引き出せるかどうかにかかっている。
専門の理学療法では、単に関節を曲げるストレッチではなく、以下のような多角的なアプローチが取られる。
徒手療法による皮膚・腱周膜間の癒着剥離、アキレス腱そのものを伸ばさずにヒラメ筋や腓腹筋の筋腹を選択的にリリースする手技、そして自重を使ったエキセントリック(遠心性)収縮トレーニングだ。腱の長さを保ったまま周囲の滑動組織の可動域を広げることが、将来的なアキレス腱の機能低下や歩行時の違和感残存を防ぐ絶対条件となる。