三類感染症を理解する上で、法的な位置づけを外すわけにはいかない。一類や二類と決定的に異なるのは、「入院勧告・措置」の対象にはならず、主たる行政処分が「就労制限」にとどまる点だ。
公衆衛生学の観点から見れば、この差は極めて合理的と言える。三類感染症は感染力こそ一定程度あるものの、飛沫感染や空気感染で際限なく広がるわけではない。主な感染経路は飲食物を介した糞口感染だ。したがって、食品の製造・加工・調理や直接給食に従事する業務から感染者を一時的に外せば、集団発生の連鎖を物理的に断ち切ることができる。
厚生労働省のガイドラインでも、飲食関係者への就労制限解除には便培養による陰性確認が厳格に義務付けられている。試験では「三類感染症患者に入院措置は適用されるか?」という引っ掛けが頻出するが、答えは明白に「×」だ。