マーガリン 身体 に 悪いという話は、食卓を囲む人々の間で長年語り継がれてきた。かつて「食べるプラスチック」とまで揶揄された黄色いスプレッドを、スーパーの棚の前で思わず避けてしまう人は、今も少なくないだろう。
しかし、食の安全に関する最新データを紐解くと、過去の固定観念とはかけ離れた実態が見えてくる。ネット上で「マーガリン 身体 に 悪い」と検索して漠然とした不安を抱く消費者が絶えない一方で、技術の現場では静かで劇的な構造変化が起きていた。
「食べるプラスチック」の汚名:なぜ危険説が世界中に広まったのか
都市伝説のように囁かれた「分子構造がプラスチックと同じ」という極論。もちろん科学的な事実ではない。高分子ポリマーであるプラスチックと油脂の化学構造は根本的に異なる。では、なぜそこまで苛烈な批判が集中したのか。
原因は、かつての製造プロセスにあった。液体状の植物油を固形化する際、工業的に水素を添加する。この過程で生じる部分水素添加油脂が、大量のトランス脂肪酸を生み出していたのだ。安価で保存性に優れ、バターの代用品として重宝されたマーガリンは、意図せぬ副産物によって健康被害の矢面に立たされることとなった。
トランス脂肪酸と冠動脈疾患の科学的リスク:臨床栄養学が示す警鐘
科学者たちの疑念が確信に変わったのは、2000年代以降の研究集積による。臨床栄養学の領域において、トランス脂肪酸の常用が及ぼす生体内メカニズムが次々と解明された。
悪玉(LDL)コレステロールを上昇させるだけなら、飽和脂肪酸と同じだ。問題は、トランス脂肪酸が善玉(HDL)コレステロールまで低下させてしまう点にある。血管壁への脂質沈着を促進し、結果として冠動脈疾患や心筋梗塞のリスクを著しく跳ね上げることが疫学調査で裏付けられた。予防医学の観点からも、この人工的な脂質に対する危機感は一気に高まった。