ブイシネマ最大の武器は、徹底した「自由」と「大衆性」にあった。放送コードに縛られたテレビドラマでは不可能な生々しい暴力描写、欲望渦巻くエロティシズム、そして裏社会のリアル。とりわけ任侠・ヤクザ映画というジャンルは、昭和の映画館からVシネマへと主戦場を移し、より過激で濃密なエンターテインメントへと純化されていった。
しかし、栄華は永遠には続かない。2000年代以降、TSUTAYAをはじめとするレンタルビデオ市場の縮小、さらには違法アップロードの蔓延によって、Vシネマは深刻な冬の時代を迎える。製作費は削られ、多くのレーベルが撤退を余儀なくされた。だが、そこで息絶えなかったのがこのジャンルの強靭さだ。定額制動画配信の台頭とともに、手軽に濃密なドラマを求める新たな視聴者層と合流。かつての衰退期を乗り越え、いまや独自のニッチ市場を完全に再構築している。