独自の審美眼でストリートシーンを揺らし続ける俳優・菅田将暉の着こなしには、ニットキャップを単なる小物以上の主役へと昇華させるヒントが詰まっている。彼はオーバーサイズのレザージャケットや年代物のヴィンテージスウェットに対し、あえて色褪せたようなトーンの浅めキャップをさらりと合わせる。
全身を新品で固めるのではなく、どこか肩の力が抜けた空気感。クラシックなアメカジと前衛的なデザイナーズを混交させるそのバランス感覚は、ニット帽の持つカジュアルさを最大限に生かした好例だ。ストリートウェアに大人の余裕を漂わせる鍵は、完璧に整えすぎないこと。少し毛羽立ちのあるテクスチャーや、使い込まれた風合いがスタイルに深みを与える。