日本国内における楽曲の広がりも極めて興味深い。特に劇団四季によるミュージカル公演は、日本人の心にこの名曲を深く根付かせた最大の立役者といえる。ワイヤーワークによってまるで水中を泳いでいるかのような躍動感あふれる演出の中で歌われる旋律は、CDや映画の音源とは一味違う、生身の舞台ならではの圧倒的な臨場感と感動を届けてきた。
日本語訳詞の精妙さも見逃せない。原曲のアシュマンによる英語詞が持つ「韻の踏み方」や「吐息のニュアンス」を壊すことなく、日本語として自然で情熱的な言葉へと昇華させる作業には、膨大な試行錯誤が重ねられた。言葉の響き一つひとつが、アリエルの無邪気さと切実さを余すところなく伝えている。