「見た目の綺麗さに騙されてはいけない」と、取材に応じたベテラン店主は語る。スーパーのパック詰めでは見落としがちな鮮度のサインを、主要な品目ごとに教えてくれた。
まずトマト。ヘタがピンと反り返っているのは基本だが、最も重要なのは「お尻の放射線状の筋(スターマーク)」だ。この星型の線がはっきりと均等に出ているものは、果肉が緻密で糖度と酸味のバランスが極めて優れている証拠だという。逆に、全体が赤くてもヘタの周囲に緑色の硬さが残るものは追熟が甘い。
キャベツやレタスなどの葉物野菜は「重さ」の捉え方が真逆になる。春キャベツやレタスは巻きがふんわりとしていて「持ったときに見た目より軽いもの」を選ぶのが鉄則だ。葉の繊維が柔らかく、瑞々しい甘みを楽しめる。一方、冬キャベツや白菜はずっしりと中身が詰まり、芯の切り口が十円玉サイズで白く瑞々しいものが最高品質だ。
根菜類、特に大根や人参は「ひげ根の並び方」を凝視してほしい。側根の跡が縦に真っ直ぐ一直線に並んでいるものは、ストレスなく素直に土の中で成長した証拠であり、筋っぽさがなく滑らかな舌触りを持つ。果物に関しては、柑橘類は皮のキメが細かく油胞(つぶつぶ)が密なもの、リンゴや梨は「お尻のくぼみ」が深く平らになっているものが完熟のサインだ。