1991年9月にリリースされたニルヴァーナのメジャー2ndアルバム『Nevermind(ネヴァーマインド)』は、まさに音楽業界の勢力図を一晩で塗り替える怪物作となりました。翌年1992年1月には、当時ポップ界の頂点に君臨していたマイケル・ジャクソンの『Dangerous』をBillboard 200の1位から引きずり下ろし、アンダーグラウンドの音楽だったオルタナティヴ・ロックを世界の中心へと押し上げたのです。
シアトルを中心に勃発したグランジ・ムーブメントは、80年代を席巻した華美なヘアメタルや商業主義的なポップスへの強烈なカウンターでした。ネルシャツに破れたブルージーンズ、埃っぽいスニーカーという飾り気のない出で立ちで、日常の鬱屈や疎外感を轟音に乗せて鳴らすスタイルは、世界中の若者のリアルな共感を勝ち取りました。Pearl Jamの『Ten』、Soundgardenの『Badmotorfinger』、Alice in Chainsの『Dirt』といった傑作群とともに、90年代のロック黄金期を切り拓いた原点がここにあります。