法的なハードルも現場の警察官を悩ませ続けている。昭和31年に制定された売春防止法は、買春行為そのものへの直接的な罰則規定が弱く、現行犯逮捕には厳格な証拠収集が求められるためだ。警視庁は客引き行為や迷惑防止条例違反などを駆使して摘発を強化しているものの、根本的な解決には至っていない。
一方、新宿区役所も行政としての限界に挑んでいる。街頭での啓発活動や防犯パトロールの増強だけでなく、福祉窓口と連動した女性支援の枠組みを模索し始めた。だが、取り締まりと保護のバランスをいかに取るかという課題に対し、現場の行政担当者と捜査当局の間ではなお模索が続いている。