調味料を合わせたら、いよいよ火入れの工程に入ります。ここで最も犯しやすい失敗が「最初から山椒を一緒に煮込んでしまうこと」です。山椒を長時間加熱すると、せっかくの美しい翡翠色が茶色く変色し、フレッシュな痺れが熱で飛んでしまいます。色を綺麗に残す煮方には、明確な手順が存在します。
ステップ1:調味液の一煮立ち
広底のフライパンまたは浅型の鍋に、酒・みりん・薄口醤油・濃口醤油を入れ、中火にかけて一度沸騰させます。アルコール分を飛ばし、調味料の角を取ります。
ステップ2:ちりめんじゃこの投入と中火煮込み
沸騰した調味液にちりめんじゃこを一気に加えます。菜箸で優しく全体をほぐしながら、煮汁が全体に行き渡るように中火で煮詰めていきます。この段階では焦げ付かないよう絶えず鍋肌を見守ります。
ステップ3:実山椒の投入と仕上げの水分飛ばし
煮汁が鍋底にうっすら残る程度(全体の水分が8割ほど飛んだ状態)になったところで、下処理済みの実山椒を加えます。ここで弱火に落とし、木べらで鍋底をなでるように動かしながら、残りの水分を完全に飛ばしていきます。
ステップ4:バットに広げて余熱を逃す
鍋肌からチリチリと乾いた音が聞こえ、照りが出たら火を止めます。直ちに清潔な平皿や金属バットにクッキングシートを敷き、重ならないように薄く広げて手早く冷まします。広げて急冷させることで余分な湿気が抜け、べたつかずにふっくらパラリとした極上の食感が生まれます。