国税庁の「申告所得税標本調査」などの公的データや各種民間調査を総合すると、自営業者(事業所得者)の平均所得は約350万〜450万円前後に分布しています。ただし、この数値を見る際には「自営業特有の構造」を正しく読み解く必要があります。
会社員の「年収」は総支給額(額面)を指しますが、自営業における収入指標は「売上(総収入金額)」と、そこから仕入れや必要経費を差し引いた「事業所得(利益)」に明確に分かれます。年商(売上)が1,000万円あっても、仕入れや外注費、家賃で800万円の経費がかかっていれば事業所得は200万円となり、ここから税金や社会保険料が控除されます。
SNSやネット掲示板の現場の声を分析すると、「独立して売上は跳ね上がったが、経費と税金を払ったら会社員時代と手取りが変わらなかった」という声がある一方で、「経費を活用して賢く課税所得を圧縮し、会社員以上の手取りと自由な時間を確保できている」という熟練者まで、所得格差が極めて大きい二極化構造が浮き彫りになっています。上位数パーセントの年収1,000万〜2,000万円超を稼ぎ出す層が平均値を押し上げているため、中央値の実態としては300万円台前半に着地することが多いのが偽らざる現状です。