物語の舞台となるのは、動乱の時代を生き抜いた人々の情念が渦巻く宿場町だ。企画の原点にあるのは、長年埋もれていた未発表の構想メモ。一見すると重厚な時代劇の骨組みを持ちながら、描かれる感情のひだは驚くほど現代的であり、濃密なヒューマンドラマとしての側面を強く打ち出している。
脚本の開発には足かけ三年以上の歳月が費やされた。歴史的考証の厳密さを保ちつつ、現代の観客が自我を投影できる人間模様へと昇華させる作業は容易ではなかったという。関係者によれば、推敲を重ねた稿数は十数回に及び、キャラクター一人ひとりの動機とセリフの削ぎ落としが限界まで突き詰められた。結果として立ち現れたのは、過酷な運命に翻弄されながらも気高く生きる人々の息遣いそのものだった。