江戸幕府を開いた徳川家康は、全国の統治を確実にするため幕府主導の主要街道を整備した。その宿場町ごとに形成された旅籠町は、参勤交代を行う大名から行商人に至るまで、多様な人々が交差し最新の情報が行き交う巨大なネットワークのハブであった。
古文書『江戸旅籠町散策記』を開くと、当時の旅籠がいかに緻密なサービスを提供し、時には幕府の厳しい取締りをかいくぐりながら独自の文化を育んでいたかが克明に記されている。近年、NetflixやNHKオンデマンドで配信された歴史ドキュメンタリー番組でも、この宿場町に隠された抜け道や暗号のような看板の謎が取り上げられ、歴史ファンの間で大きな話題を呼んだ。