「たしかなこと」を語る上で欠かせないのが、明治安田生命のCMシリーズとの相乗効果です。一般公募によって集められた膨大な写真――赤ちゃんの誕生の瞬間、屈託のない子どもの笑顔、家族の何気ない団らん、結婚式での涙、老夫婦が手を取り合う姿――がスライドショーのように流れる映像構成は、日本の広告史に残る名作として知られています。
写真に写る人々はプロのモデルではなく、どこにでもいる一般の人々です。その飾らない「本物の時間」が映し出される中、小田和正の唯一無二のハイトーンボイスが「時を越えて 君を愛せるか」と問いかけます。映像に刻まれた人生の瞬間と、音楽が持つ感情の起伏が見事にシンクロすることで、視聴者は自分自身の家族や大切な人との記憶を重ね合わせ、強烈なカタルシスを覚える仕掛けになっています。
歴代のCM作品を通して変わらないのは、「生きていくことの美しさ」を肯定する視点です。映像と音楽が互いを高め合うことで、単なるコマーシャルの域を超え、1本のショートフィルムのような深い余韻を人々の心に残し続けています。