集英社が発行する『週刊少年ジャンプ』の歴代作品群において、本作が果たした役割は革命的だった。当時のスポーツ漫画における主流だった「必殺技」や過剰なファンタジー表現を徹底的に排し、バスケットボールという競技が持つ本来のスピード感、筋肉の緊張、戦術の駆け引きをリアルに描き切ったのだ。
井上雄彦が描く線の凄みは、コマ割りのリズム感にも宿っている。特に山王戦の終盤、台詞を完全に消し去り、絵の力と効果音のみで息詰まる数分間を描き切ったシークエンスは、漫画表現の歴史における到達点の一つとして今なお語り草だ。競技のダイナミズムを一切損なわずに人間のドラマを乗せるという離れ業が、国内外を問わず無数のフォロワーを生み出す原動力となった。