自家用車(白ナンバー)を使って有償で荷物を運ぶ行為は、単なるアプリの利用規約違反では済まされません。日本法における明確な刑事罰の対象となります。
他人の需要に応じ、有償で貨物を運送する事業は貨物自動車運送事業法によって厳格に規制されています。国土交通大臣の届出を受けずに自家用車で配達を行う行為は「無許可営業(いわゆる白トラ・白貨物行為)」に該当し、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその併科という極めて重い刑罰が定められています(同法第67条)。警察が摘発に踏み切った場合、現行犯逮捕や書類送検のリスクがあり、前科がつく可能性も現実のものとなります。
法律違反以上に恐ろしいのが、事故発生時における任意保険の免責(不払い)リスクです。一般の自家用車に掛けられている自動車保険は「日常・レジャー使用」や「通勤・通学使用」を前提としており、業務(営利目的の運送)に使用中の事故は補償対象外とする約款が一般的です。万が一、配達中に歩行者をはねて重度の後遺障害を負わせたり死亡させたりした場合、数億円規模にのぼる損害賠償金を保険の助けなしに全額自己負担しなければなりません。一生を棒に振る破滅的な経済的リスクが直結しています。