ネット検索を行うと「ひき肉にしてやんよ=フランドール・スカーレット(東方Project)の台詞」という説が広く出回っています。しかし、これはサブカルチャー界隈における最も有名な集合的記憶違い(マンデラ効果的現象)の一つです。
同人サークル上海アリス幻樂団が制作する原作ゲーム『東方紅魔郷 〜 the Embodiment of Scarlet Devil.』(2002年)のエクストラステージボスとして登場するフランドール・スカーレットは、能力「ありとあらゆるものを破壊する程度の能力」を持つ狂気を孕んだ吸血鬼の少女です。原作中の実際の会話テキストを調査すると、以下のような会話が交わされています。
自機キャラクターとの対峙において、フランドールは「きゅっとしてドカーン」「ずっと遊んでいなかったの」といった無邪気かつ残酷な台詞を発していますが、「ひき肉にしてやんよ」という文言は原作ゲームのどこにも一切登場しません。
ではなぜこれほど強固に結びついたのか。その背景には、2007年以降にニコニコ動画へ投稿された数千件に及ぶ「東方手書き劇場」や「音声合成(棒読みちゃん)を用いた実況動画」、同人音楽(COOL&CREATEの『最終鬼畜妹フランドール・S』など)の派生MADがあります。圧倒的な破壊力を持つロリータ吸血鬼という属性に、当時のネットユーザーが「物騒でスラング混じりの悪態」をパロディとして付与した結果、二次創作動画内の字幕やセリフとして爆発的に定着していきました。