批判の矢面に立たされた松竹は、外部の弁護士を交えたハラスメント相談窓口を設置した。これは業界内での大きな一歩と評価されたが、実態はどうなのか。関係者からは「実際に機能しているとは言い難い」という声も漏れ聞こえる。
なぜか。告発したことが周囲に知れ渡れば、その役者やスタッフは業界で生きていけなくなるという恐怖が根強く残っているからだ。狭い業界だからこそ、噂の伝播は早い。匿名性が保証されているとはいえ、誰が通報したかを特定するのは容易な環境にある。制度を作るだけでなく、通報者を徹底的に守る仕組みが機能しなければ、窓口は単なる「アリバイ作り」に終わってしまう。