道内に暮らす人々が「これは標準語だ」と信じて疑わない日常会話の中には、本州出身者が思わず聞き返すようなユニークな北海道弁が数多く潜んでいる。最も代表的な例が「ゴミを投げる」という表現だ。決してゴミを遠くに放り投げるわけではなく、「捨てる」という意味でごく当たり前に使われている。職場や学校で「その書類、投げておいて」と言われ、他県出身者が一瞬フリーズする光景は、北海道あるあるの定番だ。
また、居心地が良い状態や落ち着く気分を表す「あずましい」、身体の不調やだるさを指す「こわい」、手袋を「はめる」ではなく「はく」と言う表現なども、無意識のうちに口をついて出る。さらに、語尾に「~だべ」「~したっけ(そうしたら、さようなら)」をつける独特のフレーズは、会話を柔らかく滑らかにする潤滑油の役割を果たしている。本人は普通に喋っているつもりでも、他地域の人と接した瞬間にその違いが鮮明になるのが、この地域の言葉の面白いところだ。