民宿の取り組みは民間の草の根活動にとどまらず、現在では行政や専門機関を巻き込んだ大きな保護の輪へと発展している。環境省をはじめ、公益財団法人知床財団や公益財団法人日本野鳥の会といった専門組織が密接に連携し、生息地の保全や巣箱の設置、個体数のモニタリングを継続的に展開中だ。
こうした官民一体の取り組みは「シマフクロウ保護プロジェクト」として実を結びつつあり、生け簀での餌付けも単なる観光目的ではなく、環境破壊によって餌が不足する時期を補うための科学的根拠に基づいた支援策として位置づけられている。絶滅回避に向けた地道な努力が、今もなおこの小さな渓谷の宿を中心に続けられているのだ。