音楽プロデューサーとしての原点を語る上で避けて通れないのが、かつて昭和の音楽界を席巻した伝説的歌手、藤圭子の存在だ。彼女の夫として、また音楽的パートナーとして深く関わった経験は、音に対する感性を研ぎ澄ませる大きな糧となった。
藤圭子が持っていた圧倒的な情念と声の力、そしてニューヨークで育まれた現代的な感性が融合することで、唯一無二の歌姫が誕生した。家庭という最も身近な環境でありながら、一切の妥協を許さないスタジオワークの現場。才能をただ甘やかすのではなく、プロフェッショナルとしての覚悟を芽生えさせた教育とプロデュースの姿勢は、今なお語り継がれる逸話となっている。