脊柱起立筋の走行を理解したら、次に押さえるべきは「作用(働き)」と「支配神経」のメカニズムです。
1. 脊柱起立筋の主な作用
脊柱起立筋群の筋線維は、基本的に縦方向(長軸方向)に走っています。そのため、左右が同時に働くか、片側だけが働くかによって作用が明確に分かれます。
- 両側が同時に収縮した場合:脊柱の強力な「伸展(後屈)」。重力に対抗して上半身を起こし、直立姿勢を維持する抗重力筋として機能します。また、頭最長筋や頭棘筋は頭部の後屈にも寄与します。
- 片側のみが収縮した場合:脊柱の「同側への側屈(横に倒す)」および「同側への回旋」を補助します。特に外側に位置する腸肋筋は、脊柱の運動軸から最も離れているため、側屈に対して大きなテコ(モーメントアーム)を発揮します。
2. 支配神経のルール
神経支配は非常にシンプルで、すべてのパートが「脊髄神経後枝(C1〜L5)」によって支配されています。
四肢の筋肉や体幹の前面・側面(腹筋群など)が「脊髄神経前枝」に支配されているのに対し、深背筋である脊柱起立筋は一貫して後枝支配です。解剖学の試験において「脊柱起立筋の支配神経は前枝である」という引っかけ問題は定番中の定番ですので、迷わず「後枝」と答えられるようにしておきましょう。