元法政大学総長としての視点から描かれるのは、少子化と財政削減に揺れる日本の高等教育が直面する切迫した危機感だ。単なる規模の縮小にとどまらず、大学が単なる職業訓練校へと変質しつつある現状に対し、強い課題意識を提示する。
2026年以降の大学改革において真に必要なのは、短期的な経済効率の追及ではない。社会の構造変化に対応しつつ、問いを立てる力を育むリベラルアーツの再構築こそが不可欠となる。経営の効率化ばかりが叫ばれる時代のなかで、大学が本来果たすべき「知の拠点」としての自治と自由をいかに守り抜くか。彼女が描く未来の教育像は、教育関係者だけでなく社会全体に重い問いを突きつけている。