1兆円を遥かに超える国費が投じられた高速増殖炉開発プロジェクト。元来のシナリオはシンプルかつ完璧に思えた。使用済み燃料から回収したプルトニウムを使い、消費した以上の燃料を自ら生み出す。資源の乏しい日本にとって、まさに「国産エネルギーの永久機関」だった。
だが現実は酷だった。1995年のナトリウム漏れ事故とそれに伴うデータ隠蔽、その後の度重なる不祥事と運転停止。高速増殖原型炉もんじゅが実際に発電を行った期間は、わずか250日にも満たない。巨額の維持費が投じられ続けた結果、日本の核燃料サイクル事業は根底からの再構築を余儀なくされた。夢のエネルギー構想は、莫大な経済的・社会的損失という現実を突きつけた。