では、実際にアンケートはどのように集められ、どのような「からくり」が存在するのでしょうか。調査システムの構造を紐解くと、Googleマップなどの一般的な口コミサイトとの決定的な違いが見えてきます。
同機構のアンケートシステムの強みは、「集計の改ざんができない仕組み」です。患者は医院から渡された専用のハガキやQRコード付きカードから直接機構のサーバーへ回答を送信します。医院側が回答内容を途中で書き換えたり、低評価のハガキだけを破棄して機構に送らないといった不正は原則としてできません。この点においては、第三者機関としての公平性が保たれています。
しかし、最大の死角は「アンケートを誰に配るか」という入り口の段階にあります。
現場の運用において、すべての来院患者に漏れなくアンケートを配る医院もあれば、治療がうまくいって機嫌が良い患者や、長年通って良好な関係が築けている患者に優先して手渡す医院が存在する可能性を完全に排除できません。不満を抱いて途中で通院をやめた患者や、クレームを入れた患者にはアンケートが渡らない構造的なバイアスが生じやすく、これが「高評価ばかりが集まるからくり」の正体です。
Googleマップは不満を持った患者が自発的に書き込めるため低評価も容赦なく可視化されますが、機構のアンケートは「配られた患者が答える」というワンクッションがあるため、全体の満足度スコアが高く出やすい傾向を持っています。