現在の洗練された高層ビルを見慣れた若い世代にとって、かつてのラジオ会館の姿は想像しにくいかもしれません。1953年に木造2階建てからスタートしたラジオ会館は、1962年の初代本館完成以来、秋葉原初の本格的な高層電気街ビルとして日本の高度経済成長とエレクトロニクス産業の発展を支えてきました。
しかし、半世紀近くの歳月を経て建物の老朽化が進み、耐震性の問題が浮上。惜しまれつつも2011年8月に閉館し、解体工事が行われました。当時は「アキバの歴史が終わるのではないか」と多くのファンや関係者が喪失感を抱いたものです。
約3年間の工事期間を経て、2014年7月に現在の新本館がグランドオープン。耐震性やバリアフリー設備を完備した近代的なビルへと進化を遂げました。特筆すべきは、単なる今風の複合ビルにするのではなく、かつて館内を彩った個性派テナントを呼び戻し、オタク・ホビーカルチャー特化型の専門ビルとして再定義した点です。時代の要請に応えながらも、秋葉原という街が培ってきたアイデンティティを見事に継承しています。