良かれと思って始めた食事改善が、かえって病状を悪化させる悲劇は現場で頻繁に起きています。代表例が「とにかく野菜サラダばかりを山盛り食べる」という極端なベジタリアン生活です。野菜に含まれる過剰なカリウムが、ろ過能力の落ちた腎臓で排泄しきれず、血中カリウム濃度が危険水域に達して不整脈を引き起こすリスクが生じます。これが腎機能低下を防ぐ食事療法の真相における最大の盲点です。
また、「肉を完全に断ち、主食も抜く」という過剰制限も危険です。エネルギー(総カロリー)が不足すると、体は自らの筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとします。その代謝過程で大量の老廃物(クレアチニンや尿素窒素)が発生し、結果的に腎臓へ過酷な労働を強いることになります。肝臓と腎臓をいたわる本質は「飢餓状態を作らず、良質なエネルギーを炭水化物と良質な脂質から確保した上で、不要な毒素と塩分だけを削ぎ落とす」というバランス設計にあります。